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ターナー賞 [Art]

Turner Prizeは、19世紀イギリスの画家J.M.W.ターナーの名にちなみ、
晩秋から冬にかけてロンドンのテート・ブリテンで開催され
毎年50歳以下のイギリスの美術家に対して贈られる賞。

今、森美術館で開催中なんです。(2008年7月13日まで)

注目したアーティストは、

デミアン・ハーストの(母と子、分断されて)
牛と子牛を縦に真っ二つにし、ホルマリン漬けにしてガラスケースに入れた作品。
この作品は「Natural History」のシリーズの一つ。
内蔵とか細かく観察できるようになっていて両サイドに狭い道があり
人が通ることができるようにも展示されてました。
(この牛の親子は自然死された後ホルマリン漬けされたとのこと)

アートとは何か?また生と死を感じ取って欲しいと作者は言ってました。

悲しげな牛の目や冷たいガラスケースに包まれ、たくさんのギャラリーの
見せ物は、、残酷ですよね?
でも、、美しいのです、、、
矛盾してます。

90年代のイギリスでの現象「YOUNG BRITISH ARTIST」(YBA)
当時20代後半から30代のイギリス人のアーティストによって構成され
その内の一人がデミアン・ハーストです。
(この牛の親子オークションで1千万ユーロ(約13億3千万円)で落札されたこと)
01.jpg

ギルバート&ジョージの(デス・アフター・ライフ)

写真に着色したパネルを組み上げた作品。(約11メートル)
失業率の高かった80年代のイギリス、ロンドンで暮らす若者たちを現してるとか。
ポップでミュージックタッチな感じがなんとも気に入りました。
社会面で憂鬱な若者を現してるだけに問題は深刻そのもののはずなのに
まるで時代が流れて出て行ったかのように感じました。

本当に大きな作品なんですが、エネルギーなものが感じられ
すごくかっこいいので、しばらく眺めていましたよ。
02.jpg

マーティン・クリードの(ライトの点滅)

5秒点灯、5秒消灯だけの部屋なんです。
何にも無いんで、ただそこに居るだけじゃ困惑するかもしれません。
でも、想像とか行動の起源やこれまで気付かなかった事を知る、、、
必要な場所になることは、間違いないと、、、
私は、感じる作品でした。
ch.jpg

ヴォルフガング・ティルマンスの(君を忘れたくない)

無造作に写真が飾れてるんです。しかもインクジェットの出力で、、
写真は、生活の一部ですが、、
作られた(situation)作品より
匂いのする写真(生々しいとでもいいましょうか、、)の方が印象は深いですよね。。。
(心に)傷があったかもしれない時とかとてつもなくパワーが漲っていた時かもしれないとか、、

そんな瞬間を写真は、捉えるんですよね。。。
go_607_05.jpg

夜に森美術館へ行ったんですが(22時まで開館)展望台もみれて夜景もキレイでしたよ〜
なかなかいい時間を過ごしました。
作品を見た後、、空虚感はあったんです。それは多分アーティスト達が表現するArtの背景に
私が気付かなかった社会面を知ったということでしょうか。。。
恐ろしく置いてきぼりを感じました。


論争に議論もあり、しかしそれだけ注目されるTurner Prizeにこれからも期待したいです。
(今年の受賞は、これからだもんね!)



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たまき

shilaさん、ターナー賞って寡聞にして知りませんでした!

現代アートって、見る人を選ぶと思います。まっ、古典絵画もそういえば
そうだけど、それ以上に。
というのも、心が開かれている、柔らかい感性の人でないとちょっと
難しい気がするのです。

かくいうワタクシ、ガチガチのマインドなので現代美術って苦手なの
でございます。。。
shilaさんみたいな人にこういうのを紹介してもらってやっと、「ほぉー」
と・・・。自分からは行こうとは思わないので・・・。

あっ、きっと音楽もそうだね!
好き嫌いで峻別するより、とりあえず浴びてみる・・・そういう感性の
ある人はすごいと思いますです。
by たまき (2008-06-26 22:17) 

shila

>たまきさん
ご存知のように古典も現代も全て繋がってますので、古典がなければ現代のアートも生まれなかったでしょう。実際、ターナー賞のようにパトロンがなくてはアートも生まれないのも古代から変わりませんね。

そしてターナー賞に限らずいい作品に出会うのは、本当に運がいいとしか
言いようがありませんから、、
もちろんもうこの手は見飽きたと言う現代アートも正直あります。

古典での技法で写実的な描写が出来る芸術家は、、現代にはもういないであろうと言われていますが、
しかし、心惹かれるArtがあれば、その前も知りたくその後も期待せずにはいられないのです、、多分、私にとっては探求できることがArtを見つける一歩かもしれませんね。

by shila (2008-06-28 23:55) 

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